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一方、東にある砦に向かうは蒼真、桃華、紫吹の率いる部隊。こちらも事前に作戦は練られている。
「この作戦は桃華にかかっている。直前で怖じ気つくなよ?」
「わかっています」
強く拳を握る桃華に若干の不安を残しながら蒼真と紫吹は配置へ向かう。
「覚悟などとっくに出来ていたはずなのに」
一人寂しく呟く桃華。それでも開戦はそこまで来ていた。不安を飲み込み、その時を静かに待つ。
砦正面に配置されるは蒼真率いる部隊。こちらは呼び掛けもせず、砦正面で陣取る。長期戦を挑むかのように。
当然その光景はこの砦を指揮する者へ伝わる。
「おのれ蒼真め。いったいなんのつもりだ」
一番先頭にいる蒼真は嫌でも目に入る。もちろんその兵力も。
「あの程度の数でここを落とせるつもりか。逆に返り討ちにしてくれよう。全軍出撃させろ」
砦の兵およそ1000人。その半数近い兵が門から次々と出撃してくる。
「予想通りだな」
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