第6章 隊長の戦い

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隊長に挟まれ一気に劣勢へと追い込まれる。更に紫吹(しぶき)の部隊は砦を守るように戦う。それにより蒼真(そうま)の部隊と乱戦状態へとなる。 「怯むな。目の前の敵にだけ集中しろ」 乱戦になっているため、援護が望めない。下手に援護すると味方ごと攻撃してしまうからだ。 「頃合いだな」 紫吹(しぶき)は砦の横にある崖へ目配せする。もちろんそこに控えるは桃華(ももか)の部隊。手には刀や槍ではなく弓を持っている。 「さぁ構うことはない。撃て桃華(ももか)」 小さく呟く蒼真(そうま)の願いとは裏腹に桃華(ももか)の部隊はなかなか弓を放てない。元々数で劣っているため、桃華(ももか)がもたつく間に氷の国の部隊はどんどん倒されていく。蒼真(そうま)紫吹(しぶき)が慌てて援護するが到底間に合わない。 「桃華(ももか)! なにしてやがる!」 紫吹(しぶき)の怒号が飛ぶ。目の前で味方の兵が倒れていくのだから当然だろう。 「紫吹(しぶき)、このまま押しきる。そちらから討て」 桃華(ももか)をあてにしない言葉に一瞬戸惑うが、状況を考えれば当然なため紫吹(しぶき)はすぐに切り替える。
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