第6章 隊長の戦い

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敵本陣前にて再び隊長が集結する。その表情は様々であるが。 蒼真(そうま)紫吹(しぶき)は明らかにいがみ合っており、白羅(はくら)紅夜(こうや)はなにか思い詰めたように神妙な雰囲気。桃華(ももか)は挫けそうな気持ちを無理矢理保っているように泣きそうな笑顔。1人無邪気にしているのは黄流(きりゅう)だ。彼はようやく終わる戦いに安堵していた。 「さて、いよいよ大詰めなんだけどどうするの?」 全員の視線が白羅(はくら)蒼真(そうま)に集まる。今回、仕切るのはこの二人だからだ。 「砦の戦績で本陣の指揮をどちらが取るか決める予定でしたが、私達は戦死者は少ないですが負傷者は多く、逆に蒼真(そうま)達は負傷者は少ないが戦死者が多い。どちらが優れているか判断しずらいですね」 「いや今回の戦績なら俺達のほうが優れているだろう。今回は連戦が予めわかっていた。この本陣での戦いに必要な戦力が多いほうがいいに決まっている」 蒼真(そうま)の言い分に全員が顔をしかめる。桃華(ももか)の表情を見て、正しいと言えないからだ。
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