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「俺はその意見には反対だな。指揮官なら戦意を保つのも役目のはずだ。今お前のために戦えない」
紫吹の頑なな態度に険悪な雰囲気が流れる。
「そんなくだらないことはどうでもいいんだけどさ。どうすんのさ?」
くだらないと言われ、蒼真と紫吹だけでなく白羅も顔をしかめる。桃華はますますうつむくばかりだ。
「こんなとこで言い争う時間がもったいない。俺は1人でも攻めこむよ」
黄流に賛同するように紅夜も頷く。
「お前らの言い争いなんていつでもできる。両砦を落とし、今が制圧する絶好の機会じゃないのか?」
普段、冷静さを欠く2人に言われては他のメンバーも黙るしかない。2人の言うことが最もであることが余計にだ。
「そうですね。では本陣を攻める作戦を決めましょうか」
「そのことで一個、俺に案があるんだけど」
不気味な笑顔で提案する黄流に皆たじろく。
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