第6章 隊長の戦い

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敵陣正面に配置されるは、紅夜(こうや)蒼真(そうま)。今の蒼真(そうま)紫吹(しぶき)を組ませられないと紅夜(こうや)が妥協した形だ。 「腑抜けるのは勝手だが足だけは引っ張るなよ?」 「誰が腑抜けているだと? お前も役割を履き違えるなよ? 間違っても不覚を取ってくれるな」 それでも一触即発の雰囲気は変わらない。 逃げ道をなくすため、裏門に配置されるは紫吹(しぶき)白羅(はくら)。もちろん待機するわけではなく挟み撃ちするためだ。 「少しは落ち着きましたか?」 「元々そんなに荒れてはいないさ。黄流(きりゅう)にってのは気に入らないが任された役割はこなすさ」 元々そんなに大きくはない砦。山の中にあるのだから当然かもしれない。塀より高い岩山が何個もある。その中の1つに黄流(きりゅう)。逆側に桃華(ももか)が配置につく。作戦は単純だ。正面から正攻法で攻め、裏から奇襲をかける。敵が慌てたところで上空から攻撃。その隙に潜入する。たったそれだけだ。もちろん成功するも失敗するも黄流(きりゅう)にかかっているが。
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