第6章 隊長の戦い

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簡単に来栖(くるす)の首を跳ねた黄流(きりゅう)。ただ違和感だけが残る。黒幕の正体と目的が全く見えなかったからかもしれない。 反乱軍ということもあり、末端の兵士であろうが死罪は逃れられない。残った兵も他の隊長達がどんどん殲滅していき、出発して3日。ようやくこの戦いは終わりを向かえる。 「色々ありましたがようやく終わりましたね」 この戦いで失った兵も少なくはない。この戦いは終わったが、長く険しい戦いがようやく始まりを告げたのだと、隊長達も痛感している。これがほんの序章にすらならない戦いだと。 「この跡地は少し調査が必要だな。この戦いの目的を知るためにも」 そう、一番不気味なのは反乱軍と名乗りながら反乱する要素が全くなかったことだ。武器の蓄えがあるわけでも、どこかの国を攻める手立てがあったわけでも。反乱軍と名乗る以上、討伐しなくてはならなかったのだが、誰かに誘導されていたかのような疑念が薄い膜のようにが隊長達に貼り付く。
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