第7章 最後の隊長

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隊長達が出陣してから3日が過ぎた。雷の国では不思議と元々魔物は活発ではなく、この間に弧遥(こはる)が討伐に行くことはなかった。話をしたりする時間があったわけではないけど。 お小遣いを少し渡されていたけど、町を見て歩く気分にもなれず、ずっと部屋で考えていた。この島に来てから何度か見た不思議な夢のことを。もちろん答えなんて見つからない。でもなにかメッセージがあると思う。それを見つけないといけない気がするのだ。 「なにを黄昏てるんだ?」 たった3日聞かなかっただけなのにその声はすごく懐かしく感じる。隊長達が無事帰還したのだ。 「おかえりなさい」 上手く笑えたかな? 精一杯の笑顔で隊長達へ振り向く。そこには出陣前とは違う雰囲気が漂っていた。元々仲が良いわけではなかったけど、今は明らかに嫌悪な雰囲気だ。特に蒼真(そうま)さん、紫吹(しぶき)桃華(ももか)さんから感じる雰囲気はいいものではない。白羅(はくら)さんや紅夜(こうや)もたどたどしく感じる。変わらないのは黄流(きりゅう)くんだけだ。
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