76人が本棚に入れています
本棚に追加
隊長達が出陣してから3日が過ぎた。雷の国では不思議と元々魔物は活発ではなく、この間に弧遥が討伐に行くことはなかった。話をしたりする時間があったわけではないけど。
お小遣いを少し渡されていたけど、町を見て歩く気分にもなれず、ずっと部屋で考えていた。この島に来てから何度か見た不思議な夢のことを。もちろん答えなんて見つからない。でもなにかメッセージがあると思う。それを見つけないといけない気がするのだ。
「なにを黄昏てるんだ?」
たった3日聞かなかっただけなのにその声はすごく懐かしく感じる。隊長達が無事帰還したのだ。
「おかえりなさい」
上手く笑えたかな?
精一杯の笑顔で隊長達へ振り向く。そこには出陣前とは違う雰囲気が漂っていた。元々仲が良いわけではなかったけど、今は明らかに嫌悪な雰囲気だ。特に蒼真さん、紫吹、桃華さんから感じる雰囲気はいいものではない。白羅さんや紅夜もたどたどしく感じる。変わらないのは黄流くんだけだ。
最初のコメントを投稿しよう!