第2章 最後の訪問者

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「隊長、彼女は訪問者なのでは?」 そこで助け船を出してくれたのは、最初にベッドの側にいた男性だった。 「訪問者か。確かに昨夜は月のない夜だったが。 輝火(かがほ)、こいつ女なのか?」 紅夜(こうや)輝火(かがほ)と呼ばれた2人の会話は理解出来ない内容だった。そう、最後の言葉以外。 「ちょっと、確かに活発すぎるし、胸も控え目でよく男の子みたいって言われるけど、ちゃんと女の子でしょうが?」 その言葉に我慢が出来ず、ベッドから降り詰め寄っていた。 呆れたような表情を見せながら、微動だにせずトドメの言葉が言い放たれる。 「こいつのどこが女なんだ? こんな女の欠片も感じないようなやつは見たことがない」 その言葉に私は完全に打ちのめされ、ベッドにうずくまっていた。 確かに女の子らしいところはないかもしれないけど、あまりに酷い言い方だと思う。私はこの男を嫌いになりそうだ。
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