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「ねぇ、ちょっとちょっと」
図書館で本を読んでいると、花形くんが話しかけてきた。僕はイアホンをしている。それでも、耳に通ってくるということは、かなり大声!僕はぱっと顔をあげ、周りを見回した。図書館にいるたくさんの人がこっちを見ていた。びっくりした人とひきつった人そして、一番やっかいな注意する人が近づいてくる。僕は慌てて本と鞄を持ち花形くんを引っ張って図書館からでた。そして、近くのベンチに座った。
「ごめんね、急に声かけたりして」
と、彼は弱々しく謝ってきた。
「別に怒ってはいないけど図書館での大声はご法度だ」
「え?なんて?聞こえない」
ぶざけてるのか、いや花形くんはそんな悪ふざけするタイプでは…よくみると花形くんの両耳からから細い線が垂れ下がっていた。こいつっと僕はその線を一気に引き抜いた。
「痛ったい」
花形くんは耳を手で覆い僕をみた。そして、
「なるほどイアホンをしていたから聞こえが悪かったのか。通りで僕好みの曲がずっと流れてたわけだ。」
なぜ、そんな低い声で渋い顔なんだ。と、いうかマジでイアホンつけてるの忘れてたのか!それで、あの大声か!僕はなんか身震いした。
「これからは気をつけてね」
「わかった」
花形くんは素直だな。とイラっとしてもすぐに許せてしまう。
「ところで僕に何の用かな?」
「あ、そっか。あのね、実はね。相談ごとがあって…」
僕は額に冷や汗を感じた。あの花形くんに悩み後が…の前に僕は相談されるのが大の苦手分野。彼を突き放してしまうこと間違いなし。
「そ、そうなんだ。なんだい?」
動揺している。声が変になる。
「あのね、僕好きな子できたんじゃないかな?どう思う?」
知らない…と、言う言葉が僕の頭に駆け巡った。
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