1人が本棚に入れています
本棚に追加
「しっかし、誰だよオレをこんな目に遭わせたの。許せねぇな。」
メガネは鏡の前で自分の姿をしみじみと眺めて呟いた。
―― こりゃヒデェ、マジひでぇ、とことんヒデェ ――
元々がもっさりした黒縁メガネであるが、リムが歪んでレンズ割れてるわ、ブリッジが歪んでどんな橋だよ状態になってるわ、鼻パッドは行方不明だわ、フロントがっつり斜めだわ、で、とんでもないことになっていた。
―― 両端にヨロイがついてても意味ねー。弱いよ、オレ、最弱じゃーん ――
「とんでもなくガッカリだな。」
―― もっさりした黒縁メガネで生を受け、終わりがこれじゃ、とことん情けない ――
「コレはアレだ。復讐するヤツだ、うん。」
―― このまま終われっかよっ ――
「がんばれー、オレー。」
メガネは鏡に向かって気合を入れた。
最初のコメントを投稿しよう!