喋りだすメガネ

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「せっかく殺したんだから、死んだままでいて貰わないと。」 ――― あ、なんかヤバい雰囲気 ――― 「使い込みの罪も背負って、死んでてもらわないと。」 ――― あー、やっぱり? ―――― 「藤原くん…あなた一体…。」  青ざめた美人が藤原を見つめて震えている。 ――― これはヤバい流れですよねー ―――― 「知られてしまったら、アナタも殺すしかないですね。」 ――― 藤原ーーーーっ! やっぱりそうきたか、藤原ーーーーっ! ――――  青ざめた美人はプルプルと震えながら後ずさりした。その先にあるのは全開の窓だ。大声を上げれば室内にいる人たちが気付いてくれるだろうに、藤原の勢いに押された美人は、叫ぶことさえできないらしい。  メガネはといえば、声帯がついていないから叫ぶことはできない。  ――― おいおい、このままじゃやべぇぞ ―――  と、思いながらもなすすべがない。  じりじりと追い詰められた美人の頭の上を、ふわふわと浮いているくらいしかできなかった。
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