1話 突然の別れ

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1話 突然の別れ

キィーーーン キィーーーン キィーーーン   耳鳴りがする ここは、どこ 僕は、どうすれば戻れるの 僕は、どうすればいいの みゆきに逢いたい ばあちゃんの部屋でじいちゃんの話を聞きたい 父さんともっと話をしたかった 母さんが作った料理をもう一度食べたい ごめんなさい ごめんなさい どうしてこうなったんだ… どこから、こうなったんだよ どうすればよかったんだ… もう、今までの僕じゃあなくなった 掌を泣きながら何度も何度も土に擦りつけて 冷たい土を握り締めた両手の震えが止まらない 誰か教えて 誰か叱って 誰か僕を止めて 教科書なんてなかった マニュアルだってなかった こうなるって こうなるって誰かに教えて欲しかった こんなことになるなら誰かに助けて欲しかった あの時、なの? あの時、選べたの? あの時、どうすればよかったの? ・・・僕のせいなんだ 全部僕のせい 僕がこうしたんだ 僕は、特別なんかじゃあない 僕は、普通の中学生だったのに 帰りたい あの時に帰りたい 誰か助けて 誰か助けて 僕は、ただ・・・ 僕は…ただ 悪くない 悪くない 悪くない 悪くない 僕は・・・悪くない キィーーーン キィーーーン キィーーー ン 耳鳴が止まらない 耳鳴が止まらないんだよ 誰? 誰かいるの? そこに居るのは誰なの? 僕を、ここから助けて お願い 君が、僕を助けて お願い こっちに来て もっと近くに もっと そう・・・ そばにいて ずっと、僕のそばにいて ありがとう ずっと、僕のそばにいて もう大丈夫だよって、僕を抱きしめて
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