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暫くすると何処からか人の話し声がしたような気がした。
カナル式のイヤフォンで曲を聴いていたので最初はよく分からなかったが、どうやら下の踊り場かもしくはその辺りの階段の途中で話しているようだった。
少し気になったので息を潜めながら聞き耳を立てた。
一人は同じクラスの相馬莉緒のようである。
相手は演劇部の先輩のようだ。
帰宅部の篠原でも相馬が演劇部であることは知っていたが、演劇部に所属している先輩までは把握できてはいない。
ただ話している内容でそうだと言う事が分かった。
相馬が最近演劇部に顔を出さないので先輩が心配して話を聞きに来た、と概ねそんな内容だった。
相馬は演劇部に所属していながら、役をもらう事が出来ていなかったらしい。
それでつまらなくなってしまったのではないかと先輩は思っているようだ。
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