白帽子の魔女

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「ねえ、真。どういうことなのよ?」 「校長が言ったとおりだ」 真はつっけんどんにそう言ってしかめっつらをする。 気にせず歩夢はくいさがる。 「あんた、“三家”とか、偉い地位だか何だかにあるのに、何で今まで黙ってたのよ?」 しかし、真は答えない。 かわりに、静流が答える。 「魔女が現れる時、必ず三家の子息は揃うと言われている。三家を公表すると魔女がでることが知れてしまい、あらゆる混乱が予測されるため、三家の正体や実態は、三家の上層のごく一部の者しか知らない。三家の子息が集って、魔女が現れたのは、最近だと44年前の1971年のことだ。その記録は一般には抹消されていて、三家のなかでも、知るのは俺くらいのものだろう」 「そうなんですか…」 歩夢は、いまいちわからないというふうに口をとがらせてだまりこむ。 「待たせたね」 そう言って担任の教師が教室に入ってくる。 くちゃくちゃの白髪まじりの頭に丸眼鏡という様相の担任教師は、教壇に立つと、簡単に自己紹介をした。 「石川清(いしかわきよし)だ。ちなみに、魔導師であるわけではないぞ。ちょっとしたオカルトマニアってところだ」 そう言って石川はいたずらに笑った。 しかし、四人に反応はない。
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