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目の前の笑顔は、あの合コンで目の前に座っていたスマイル大型犬。
そして、
「ようやく、分かりました?」
そう言うと、私の手をそっと取り、その上に差し出していた小箱を
ポンと置いた。
「はい。今度は、僕が助ける番です」
しかし、彼の言葉の意味は、まったく分からない。
それでも彼は、私の手にそれを握らせると、
「じゃあ」
満足そうに更に大きく笑顔を広げて、その場から去って行く。
しかし、私の頭も感覚も、現状にきちんと反応できるほど
現実に戻りきってはいなかった。
お蔭で私は、言葉らしい言葉も発せないまま
小さくなっていく彼の背中を、ただぼんやりと見つめ続けていた。
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