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 しかし、 ある噂を悟から聞き、 そうも言ってられない気持ちになってしまう。  明るく可愛い理沙子の評判が、 クラス内はともかく、 他のクラスや高学年達にまで広がっているというのだ。  そういえばここ何日か、 教室のドアの外からこちらの方を覗き込んではコソコソしている男子の姿を見た。  それも一人二人ではない。  このままでは、 いつ目の前で誰かが彼女の気持ちをかっさらいに来るかもわからない。  爽汰は腹をくくる決意をした。  ただの憧れでもいい、 片思いで終わったっていい。  でも、 友達にすらなれないで、 こんなに近くでいつも思っていた自分の目の前で、 どっかの誰かに心奪われていく様を見せられるのだけは嫌だ。  そんな終わりは、 あまりに情けないと思ったのだった。
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