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机に置いた雑誌に夢中になっていた理沙子は、
突然前の席の男子に話しかけられて驚きはしたが、
顔を上げ、
これ? と言ってから恥ずかしそうにその表紙を爽汰に見せてくれた。
「青山君も、
好きなの?」
爽汰は驚いた。
まずは、
爽汰の名前を覚えていてくれただけでなく、
親しみを込めて「青山君」と呼んでくれた事だ。
存在を認めてくれていたのだと思うと、
嬉しくて涙が出そうだった。
それともう一つ。
それはプロ野球の情報雑誌だったのだ。
別に野球が好きな女の人が珍しいという訳ではないが、
理沙子のイメージからは連想しにくい。
しかし当の本人は、
好きな野球の話を聞かれたのが嬉しかったらしく、
爽汰に色んな話をしてくれた。
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