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理沙子の祖父はプロ野球好きで、
小さい頃からよく試合を見に球場に連れて行ってくれていた。
そのせいで、
気がついた時には理沙子も野球が好きになっていたと言う。
だが、
五年前にその祖父を亡くしてから、
球場に行く事がなくなってしまったという話をしてくれたときに、
ほんの一瞬、
笑顔から寂しい瞳を見せた事を爽汰は見逃さなかった。
「両親も妹も、
野球には全く興味ないし、
女の子の友達にはなかなか付き合ってもらいづらくて。
最近はほとんどテレビ中継だけなの。
だから、
たまには雑誌も買って情報収集してるんだ」
爽汰は、
野球が特別好きな訳でも、
詳しい訳でもなかった。
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