13/21
前へ
/84ページ
次へ
 しかしその日以降、 毎日スポーツニュースを欠かさずチェックし、 朝一番で昨日の試合結果を理沙子とあーだこーだと話す事が出来るようになるまでになった。  爽汰にしては、 それだけでも十分だと思うくらいの進歩だった。  目も見られなかった以前に比べて、 今では顔を合わせれば笑いかけてもらえる程にまでなれたのだ。  しかし、 爽汰はどうしても一つの願望を考えずにはいられなかった。  連れて行ってあげたい、 球場に。  理沙子のおじいちゃんの代わりに、 自分が連れて行ってあげたいと思っていたのだ。  しかし、 それをそのまま口に出来る程、 爽汰は度胸も経験もなかった。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加