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「とうとう今日だな。 緊張してるか?」  一人での留守番を始めて二日、 爽汰のクラスメイトである悟が家に遊びに来ていた。  悟とは、 小中と同じ学校に通った地元の友達で、 家も近い。  高校に入って初めての夏休みも、 暇だと言ってはよく爽汰の家にやって来ていた。  冷房を強めに効かせた爽汰の部屋で、 悟は背をベッドにもたれ、 床に座りパソコンのゲーム画面を見ながら言った。 「何時からだっけ?」  カチカチとマウスを動かす音が六畳の部屋に響く。  気がつけば、 さっきから暫く何も声を発していない爽汰に、 悟はしびれを切らしゲームを一時停止して、 ベッドに振り返りながら掛け声を出す。
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