パンドラメガネ

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「なっ?!なによ!これは」  二人目もパンドラメガネを外すと、恐怖に感じるものを置くかのように、すばやくテーブルにパンドラメガネを置くと、直ぐに手を引っ込めた。 「何が近い未来よ!うそつき!」と最初にメガネをかけた女の子が言う。 「君たちが見たのは、間違いなく近い将来の出来事。その内容は見ていない僕にはわからない。そして、これはパンドラメガネと言う名前の、掛けた者に災いを招くメガネ。彼女も昨日、見たよ。で、どんな災いを見たのかは知らない・・・」 「へぇ・・・、アンタも見たの・・・。どんな物を見たの・・・。聞かせなさいよ!!」と茶髪の女の子が叫ぶ。沙希は渋々、自分が見た内容を掻い摘んで話し、最後に自分が校舎の上に立っている姿を見て終わったと話した。  その話を聞いた二人は、顔面蒼白にした二人顔を見合わせた。 「なになに・・・・?由美たちはどんな未来を見たの?」とまだメガネを掛けていない最後の一人の女の子が楽しげに聞く。 「触らないで!!」と由美と呼ばれた最初にメガネを掛けた女の子が叫ぶ。 「イタッ・・・。何するの」 「そんなに知りたいの?話してあげようか?コイツが校舎から飛び降りて死ぬの。残されたメモには私等に虐められた事や、もう生きていけないとか書かれているの!それを警察が見つけて、あたしたち、周りから人殺し扱いされるの!」 「それだけじゃないわ・・・。あたしなんか、親に怒られただけじゃなく、親が自殺するの・・・。何で・・・、なんでこんな目に私が会うのよ・・・」 「勝手に死ぬアンタがいけないんだ!アンタが私らの名前を書いて死ぬからいけないんだ!」と由美が沙希を指差して言う。 「そうよ!アンタが死ぬからいけないんだ!」 「えっ!・・・だって、毎日、死ねとか生きてる価値無しって言っているのは由美たちじゃない・・・」 「アンタはただ、そうやって毎日虐められていればいいの!」と由美が叫ぶように言った。  その瞬間、由美の頬に平手が飛んだ。  振りぬいた平手をそのままに、目にうっすらと涙を浮かべながら紅潮した表情でいる店長がいた。 「君たちは、まだ分かっていないのか・・・」
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