第六章 カンセン

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ついに3本目、最後の勝負が始まった。 かな子は得意の面を行こうとしたが 先ほどの面を取られた高木妹は警戒し 後ろに下がり間合いを取った。 カチャカチャ 竹刀の先が お互いの間合いを測っている。 フェイントを入れながらもお互いのせめぎ合いが 長く続いた、、、、、、。 、、、、。 主審が ヤメ!合議!! と発し 赤と白の旗をまとめ上にあげた。 合議だ。 どちらか、もしくは両方の試合の中、 反則が有ったかなかったかを副審と合議し 判定するのだ。 かな子と高木妹は元の開始位置から下がり 合議の結果を待っている。 合議を終え、選手達に合図した。 それにより試合開始位置に二人は戻った。 片方の選手づつに寄り 逃げずにもっと攻めて。次は反則になりますよ。 と注意した。 両選手、反則は取られなかった。 「はぁ~良かったぁ~」と 応援席も胸をなでおろした。 「ハジメっ!!!」 と号令がかかった。 もうお互い、あまり間を取りすぎたり下がったりはあまり出来ない。もし次に反則を取られたら、相手に有利になってしまうから。反則二回で一本となってしまう。特に団体戦の場合は痛い。 お互いに ハジメの号令がかかった瞬間に飛び出し 打ち合い、連続、連鎖の打突を繰り返している。 かな子の母、美奈子は手を握り締め 何も言わず目を潤ませながら心配そうにジッと観戦していた。
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