第9章   少しだけ近くに

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この週末は、泣き尽くしたわけでもないし、 特別な事があったわけでもなかった。 はずなのに――。 週明け早々、また千奈美のメールに捕まった。 『その顔の訳、お昼に聞くからね!』 しかし、今日、誘われたのは近くの中華レストラン。 ここは、ランチの「あんかけ炒飯」と「五目塩焼きそば」が逸品の店。 「さて、話してもらうわよ」 注文を終え、パタンと手元のメニューを閉じた千奈美が、 キラリと目を輝かせる。 「まずは、友之さん。何かあったのは、間違いないでしょ?」
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