44人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな時に、思いがけず見つけた彼の姿。
いったいどれ位、あの場所で待っていたんだろう。
だが、そんな事など頭をよぎる隙もないほど、
一瞬で、涙が浮かんでいたと思う。
本当に彼の姿を目にしただけで、なぜか私を縛り付けていたものが
フワッと解けた気がしていた。
だから、
「ごめんね、こんなにしてもらったのに、
私、今は、まだきちんと話ができそうになくて……。
でもあの時、駅で見付けてくれてから、ずっと……、
今も、冠くんが助けてくれたのは本当。
なんかスーパーヒーローみたいで、すごく嬉しかった」
ありがとう――。
素直な気持ちで、そう言ったつもりだった。
最初のコメントを投稿しよう!