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「死にたくなけりゃ身ぐるみ置いてけやぁぁ!」
とある山奥で、山を越えようと歩いていた侍に、
リーゼント頭の山賊がそう叫んだ。
「・・・・・・断る」
侍は冷静に拒否する。
「アァン!?テメーに選ぶ権利はねぇんだよっ!
何だったら殺して奪ってもいいんだぜ!」
「ねぇあんた、逆らわずにさっさと金目の物を渡しなよ。じゃないとほんとに死ぬよ」
そう言ったのは、リーゼントの後ろにいた仲間の
幼女である。
着物をアレンジして、生足を晒している幼女は、
もう一人の仲間、スキンヘッドの巨漢の肩に乗っている。
「朱馬(あかめ)は強いからさ、あんたなんかヤラレちゃうよ」
「悪いが、そんな変な髪型のヤツに負けるほど
弱くはないな」
そう言った瞬間、リーゼントが刀を抜いた。
「テメー、オレ様の芸術的なヘアースタイルにケチ付けやがったな。生かしといてやろうと思ったが、ダメだ、ここで死ねぇぇぇ!」
リーゼントが侍に斬りかかった。
「・・・・・・」
侍は素早く刀を抜き、峰の部分をリーゼントの腹に打ち込んだ。
「うげぇ」
リーゼントは地面に倒れ、気を失った。
「・・・・・へ?」
あっという間の出来事に、幼女は言葉を失う。
「おい、そこの娘。こいつを連れてさっさと失せろ。じゃなきゃ俺がこいつを殺すぞ」
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