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侍は幼女を鋭く睨み付ける。
「ッ!」
幼女は涙を浮かべて、巨漢に命令する。
「黄山(きざん)!早く朱馬を連れてズラかるよ!」
「分かった」
巨漢はリーゼントを肩に担ぐ。
「おい侍!次はこうはいかないからな!覚えてろ!」
幼女は捨て台詞を吐く。
「また絡まれるくらいならやっぱりここで仕留めるか」
「ッ!行くよ黄山!」
3人組はあっという間に逃げていった。
「・・・・・」
侍は刀を鞘にしまう。
すると背後から、
「いやーすごいねー!あっぱれあっぱれ!」
「ッ!?」
後ろを振り向く侍。そこには、
「一瞬の剣捌き、見事!」
豪華な着物を着た男がいた。
しかもその男は足が無かった。
ふわふわと空中に浮いている。
怪談話に出てくる幽霊のようだった。
着物の男は目をキラキラさせながら一方的に話している。
「なんだ、お前は?」
「ん?僕?僕は殿さまです!」
エッヘン!と胸を張る。
「殿さま?なんだそりゃ?」
「江戸にお城があるよね、あそこの殿さま」
「殿さまが死んだのか?暗殺か?」
「イヤ、死んでないっぽい」
「はぁ?どうゆうことだ?」
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