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第10章 花火の夜(続き)
目の前の水平線には、まだオレンジ色が細く残っている。
だが空は、もう藍色一色。
細い、三日月も浮かんでいる。
そして間もなく、
ドーン――。
地響きのような音と共に、花火が始まった。
夜空に咲く美しさと迫力に、私は、いつの間にか夢中になっていた。
しかし、ふと気付くと、宿泊客もほとんどないのか
数人の従業員の姿も見られ、一緒に歓声を上げている。
だが、そんな事に目がいったのも、ほんの束の間。
私は、引き込まれるように、再び夜空を飾る花火に夢中になっていた。
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