第13章  雨の夜に

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そして、 「ナッちゃん……」 吐息交じりに耳元で囁きながら、彼の大きな手は柔らかく味わうように 膨らみを愛撫する。 それにゾクゾクと痺れが背筋を這い上がり、 甘い声も、吐息も止めようがなかった。 頭の中がどんどん白くなり、首筋をなぞる彼の舌先に膝が小さく震えだす。 そして、 「ナッちゃん」 再び囁いた彼にベッドに座らされた途端、 スルッと下着ごとカットソーを脱がされ、ゆっくりとベッドに押し倒された。 もしもこの時、少しでも私に理性が残っていたら、 あまりにも彼が何もかも手慣れて、転がすように私を溶かしていくことに 驚いたかもしれない。 しかし、そんな事が頭を掠める隙すらないほど、 いつの間にか私は、彼に蕩けさせられていた。
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