第13章  雨の夜に

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丁寧な彼の愛撫に、私の体は踊らされ続けた。 そして、ようやく私の中に彼が入ってくると、彼の掠れ声が甘く囁く。 「ナッちゃん、愛してる」 呟くと同時に、奥を彼が力強く突き上げ、仰け反る私を強く抱きしめた。 ん、あぁぁぁ――。 彼への愛しさが広がり、瞬時に私を駆け巡る熱と共に 絶頂の波が私を一気に呑み込んだ。 「ナッちゃん……、ナッちゃん……」 繰り返し呼ばれる中、彼が揺する私の体が快感と恍惚の渦の中で震えだす。 そして、 「ナッちゃん……」 掠れた声で呟いた彼の顔が、微かに歪んだ。 「愛してる……」 そしてこの夜、三度目に彼と重なり合う中、 私は、微かに残っていた意識を手放した。
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