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私は、冠くん一人だけのものでありたい。
半年前までは、自分が五つも年下の人にこんな感情を抱くなど
夢にも思わなかった。
だが今は、真っ直ぐな彼の気持ちを
私も精一杯、受け止めたいと思っている。
しかしそんな私の顔を見て、千奈美は、ちょっと心配そうな面持ちを
向けてきた。
「友之さん、何て?」
「分かったって、それだけ」
「たぶん、彼も覚悟はしてくるだろうと思うけど……。
ちょっと、勇気要るね」
うん。
しかしこれは、一人で通らなければならない通過点。
そして、冠くんのためにもという思いが私を強くする。
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