第14章  誕生日じゃない誕生日

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私は、冠くん一人だけのものでありたい。 半年前までは、自分が五つも年下の人にこんな感情を抱くなど 夢にも思わなかった。 だが今は、真っ直ぐな彼の気持ちを 私も精一杯、受け止めたいと思っている。 しかしそんな私の顔を見て、千奈美は、ちょっと心配そうな面持ちを 向けてきた。 「友之さん、何て?」 「分かったって、それだけ」 「たぶん、彼も覚悟はしてくるだろうと思うけど……。 ちょっと、勇気要るね」 うん。 しかしこれは、一人で通らなければならない通過点。 そして、冠くんのためにもという思いが私を強くする。
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