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「行こう。このままじゃ、二人とも風邪ひいちゃう」
「でも……」
ありありとした躊躇いを浮かべ、彼の目が上目遣いに戻ってくる。
私は、彼に小さく微笑みかけた。
「とにかく、入ろう」
その途端、フワッと彼に抱きしめられた。
「ナッちゃん、僕……」
一瞬、再び躊躇ったように言い淀む。しかし、
「このまま行ったら、止まらないかもしれない……」
耳元で、囁くように切ない声が呟く。
「うん、いいよ……」
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