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そして、スッと彼の腕の力が緩められ、
熱い瞳に見詰められた次の瞬間、彼の唇がフワッと私の唇を塞いだ。
柔らかく唇を吸われ、何度となく小さく啄みだす。
そしてそっと唇を離し、私を見詰める彼の目には、熱っぽい色が宿っていた。
だが、躊躇う間も、言葉も挟む間も、ひとつ息をつく間さえもなかった。
彼は、熱を帯びた眼差しのまま再び私の唇を塞ぎ、
ゆっくりと重ねた唇で愛撫を始める。
柔らかく吸いつき、そっと私の唇を舌先で舐めて、
それを小さく唇で甘噛みしてくる。
なんだか、さっきまでの彼とは別の人のよう。
しかし、雄の匂いを漂わせ、唇への愛撫を繰り返されるうちに
私の頭の中もジンと緩く痺れはじめる。
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