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玄関に続く廊下を見ると、レザージャケットにピチピチのレザーパンツ、腰にコンチョベルトやチェーンを巻いた露木優花(つゆきゆうか)が立っていた。手をあげて元気よくいう。
「メリークリスマース!あんたたち、二人の邪魔しないであげてくれる。もうちょとでキスするところだったのに、見れなかったじゃない」
ユウカは残念そうな顔をすると、食卓の上に大きくて薄い四角い箱を二つ置いた。
ユウカは大学生になってから、同じ文学部で知り合った女の子だ。顔はめちゃくちゃ可愛いが、豪快さと行動力は多分俺たちの中では一番。趣味はヘヴィメタル鑑賞である。
タケルもマコトもユウカも、今のところ付き合ってるヤツがいない。
だから、クリスマスは直哉の部屋を使って、ささやかに忘年会を兼ねたパーティをしようということを、三人がいつのまにか決めていたのだ。
それを俺たちに知らしてきたのは、つい三日前。俺はともかく、部屋の主が一番最後に知らされるなんて、まったく勝手なヤツらである。
俺と直哉は慌てて買い出しをして、昨日のうちに準備をした。長期留学の経験のある直哉は、俺と違って料理をすることには割と積極的なのだ。
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