☆クリスマスには天使にキスを☆

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 居酒屋でバイトをしているマコトが、キッチンの中でテキパキと動いている。 「コーラとオレンジジュース、冷蔵庫に入れとくよ。あと泡とワイン、いいやつをバイト先で安く仕入れさせてもらったんだ。おまえらも少しくらい飲めるんだろう」  直哉がキッチンの方へ向かう。 「うん、そうだね。ありがとう。グラス用意するね」  紙袋を持ったタケルがいう。 「チキンはどうする。温めなおした方がいいのかな」  直哉がタケルから紙袋を受け取った。 「うん。そうだね。オーブンで温めなおすよ」  なんだか直哉が忙しそうである。俺は慌ててキッチンへ向かった。 「直哉、何か手伝うことあったらいって」  直哉がちょっと苦笑いになった。 「健人はいいよ、マコトに手伝ってもらうから。あっちでテレビでも見て待ってて」  昨日は二人でアペタイザーの下準備をした。だけど俺には料理のセンスはまったくなかったみたいで、どうやら直哉の邪魔ばかりしてしまったようだった。  タケルとユウカはテーブルのセッティングをしている。仕事がはかどらないと困るので、俺は大人しくソファに座って待つことにした。
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