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直哉は顎をひいてうっとりした顔をする。俺は慌てて直哉の口をふさいだ。好き勝手なことをいっていた三人の視線が俺に集まっている。冗談じゃない。
「ちょっと!誤解されるようなこというなよ!あいつら多分スゲーこと想像してる」
直哉は俺の手を外して上目づかいで見てくる。
「だって、ホントのコトだもん」
俺はもう一度直哉の口をふさいだ。マコトが肘でタケルをつつきながら小声でいった。
「ほらみてみろ、俺のいった通りなんだって」
「ああ、やっぱりそうなんだ」
ユウカがタケルとマコトに訊いた。
「ね、男の子ってどんなことしたら、気が遠くなったりするわけ」
「わかんない。でもとにかく健人がスゴイんじゃね?」
妙に納得した三人は誰も笑ってはいなかった。真面目な顔で喧々諤々やっている。気が遠くなりそうなのは俺の方だった。
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