☆クリスマスには天使にキスを☆

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 パーティの後片付けをしなければならなかった。テーブルや残り物は、みんながだいたい片付けてくれていたので、俺たちに残されていたのは、汚れた食器を片付けることくらいだった。  直哉と二人でシンクに並び、手分けして洗う。直哉が俺に寄り添い小声でいった。 「ねえ、なんだかぼくたち新婚さんみたい」  リビングにいる広瀬さんは、こちらに背を向けている。俺は直哉の耳元にキスをした。直哉は嬉しそうにくすぐったがる。直哉が顎を上げて首を伸ばしてくるので、唇にもキスしてやった。  直哉とは二年間の友人関係を経て恋人同士になった。三週間前のことだ。  以前のように、自分の気持ちを隠す必要がなくなり、彼もまた俺のことを好きでいてくれるとわかった今、ますます直哉のことが愛しくてたまらない。  俺たちは若くてまだ未熟だけど、半端な気持ちで付き合ってるわけじゃない。自分たちがおかれている立場はじゅうぶん理解している。これから様々な障害や困難はあると思うけど、二人で共に乗り越えていく覚悟だってある。
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