☆クリスマスには天使にキスを☆

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「そこには、ぼくの悪口がたくさん書かれていていたんだ。エリは家事のことでぼくに不満があったみたい。洗濯をしない、食事の片付けをしない、掃除をしない、ぼくが出来ていないことを全て書いていた。エリも仕事を持ってるし、ぼくもなるべく家事は分担してやるべきだと思ってるんだけど、仕事で朝早くて夜も遅いから、疲れてすぐに横になってしまう。なかなか思うようにできなくて、ぼくも悪いなとは思っていたんだ」  直哉と顔を見合わせた。直哉が訊いた。 「それでどうして喧嘩になっちゃったんですか。広瀬さんは別に家事をやりたくないって思ってるわけじゃないんでしょう」  広瀬さんが自重的に鼻で笑う。 「ぼくがエリを責めたんだ。そんなこと、影で友達に愚痴をこぼさなくても、ぼくに直接話してくれればよかったのにって。そしたら勝手にスマホを見たことを逆に怒られてしまって、話に収拾がつかなくなって……」  俺も直哉もなにもいえなかった。どちらもどちらだと思う。  他人の痴話喧嘩だと、とたんに”こんな小さなことで”と思えてしまうのはどうしてだろう。  自分たちの時も、これくらい状況を冷静に見ることができれば、喧嘩になんかならないかもしれない。
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