☆クリスマスには天使にキスを☆

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 静かに寝室の扉が開いた。そっと扉が閉まる。  掛け布団の足側からふわりと空気が入ってきて、直哉は俺の足元の方からベッドの中に滑り込んできた。俺の胸元からひょっこり顔を出してくる。直哉はボクサーパンツ以外、何も身につけてはいなかった。 「健人、お待たせ」  くしゃくしゃに乱れた生乾きの直哉の髪を整えてやる。 「どうしたの、今日は」  俺たちは恋人同士になってから、まだ三週間しか経っていない。お互いにすごく惹かれ合っているのは間違いないが、まだ恥ずかしさや照れ臭さが残っていて、直哉がいきなり裸に近い状態でベッドに入ってくるなんてことは、初めてのことだった。 「健人、好き」  俺の首元に顔をうずめる。俺は直哉の頭を撫でてやった。  運動が苦手な直哉は、均整のとれた体躯ではあるが、筋肉質ではない。少し少年ぽさを残す青年体系で、平均的な肉付きである。  風呂上がりの直哉の肌は、いつもより一層白く透き通っていた。頬だけが赤くなっている。  興奮と不安が入り混じる複雑な気持ちで、彼の背中に手のひらを這わした。 「あはぁ……」
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