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直哉がムートンブーツの足でピョンっと一歩踏み出した。俺の前にまわり、くりっとした目で見上げてくる。
「ねっ、今日アレが届く日だよ」
俺は指を鳴らした。
「あ、ほんとだ。もう届いてるかな」
「うん、きっともう届いてる。健人(けんと)早く帰ろう!」
俺たちは足早にキャンパス内を抜けて、直哉が下宿しているマンションへ向かった。
直哉が住むマンションは大学正門から歩いて五分くらいのところにある。単身用ではなくファミリータイプで、この辺りでは一番の高級マンションだ。
マンションにつくと、エントランス横の通路から、直接宅配ボックスへ向かった。
セキュリティカードを差し込むと、十番ボックスの扉が開く。
直哉がボックスの中から小脇に抱えられるくらいの段ボールを大切そうに取り出した。嬉しそうに笑う。
俺はセキュリティカードを抜き取って、ボックスの扉を閉めた。
「行こう」
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