☆クリスマスには天使にキスを☆

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 直哉の部屋は四階にある。間取りは新婚向けに設計された1LDK。リビングダイニングだけでも軽く十三帖以上あり、全体の専有面積は60平米近くと、一人で住むには広すぎる部屋なのだ。家賃も俺が借りてる部屋より三倍近くする。  直哉はリビングのソファーに腰をおろして、膝の上に段ボールを置いた。俺を見上げていう。 「開けてもいい?」 「うん、いいよ」  直哉と俺は、神奈川にある私立の高校に通っていた。コースは違ったが同級生である。  高二の時に生徒会の役員になり、俺たちはそこで知り合ったのだが、思わぬことから俺は直哉に惚れてしまった。  綺麗な二重に黒目がちで大きな瞳、珊瑚のように紅い唇。見た目も魅力的ではあったが、それ以上に俺が彼に惹かれたのは彼そのものだった。  直哉とはお互い両思いとは気づかないまま二年間の友達期間を経て、この十二月の最初の頃、恋人同士になったばかりだった。今年のクリスマスは俺たちが恋人同士になって、初めて一緒に過ごすクリスマスである。  だからクリスマスにちょっと否定的だった俺でも、やっぱりそれらしいことをしたくなったのだ。
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