☆クリスマスには天使にキスを☆

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「直哉、腕出してごらん」  直哉は左腕を出してはにかんだ。俺は直哉の手の甲にそっとキスをしてから、時計を腕にはめてやった。 「健人も腕出して」  左腕を出した。すると直哉も俺のまねをして、俺の手の甲にキスをする。彼が切なそうな顔をしていう。 「健人、好き」  俺は直哉の頬を手のひらで包んで、唇に優しいキスをした。直哉が俺の腕をとり、ベルトをはめながらいう。 「ぼくたち、初めてキスした日から今日で21日になるね。もう何回くらいキスしたかな」  天文学的とまではいかないけど、そんなこと、もはや数えきれないことだった。 「うーん、百回くらい?」 「そんなことないよ、もっとしてる」 「はは、そっか」 「はい、できたよ。お揃い」  二人で腕を並べてみた。なかなか素敵である。スマホで写真を撮って、インスタにあげた。  直哉は俺の手を握ると、肩に頭を置いていう。 「来年のクリスマスもお揃いのものをプレゼントし合おうね」  俺は直哉の柔らかな髪に顔をうずめた。 「うん、来年も再来年もずっとね」
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