7.おとうとと歪

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なんて安心する温もりなんだろう。 細くて小さな彼女の腕の中は優しくて、思っていたよりずっと力強かった。 「・・・キョウちゃん、よく夜中にこうしてるの、知ってるよ」 ポツリと呟かれたその言葉に、驚く。 言葉を返せない俺を気遣ってか、それ以上彼女が言葉を紡ぐこともなく、辺りは深夜の静寂が支配していた。 言葉を交わさずとも、その間ずっと優しく頭を撫でてくれる。それがまったく不快でなく、彼女なら、受けていれくれるかもしれない、前を向かせてくれるかもしれない、そんな気がした。 「ひなちゃん」 「・・・ん?」 「アナタにね、話さないといけないこと、色々あるのよ」 陽だまりのように微笑む彼女は、そっと俺の隣に座った。
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