君の心の熱に触れる

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「別に文句はない。  両手で必死にマグカップを持ってコーンスープをがっついてる姿が小動物みたいだなって思っただけだ」 「な! がっついてなんか……!!」 「俺がこの間買ってやったマグカップ、どうしたんだよ?」 「え?」  唐突な話題変換に頭がついていかなくて、パシパシと目を瞬かせる。  改めて彼を見上げれば、彼は口元に付けたマグカップで顔を隠すようにして口を開いた。 「お前の手の大きさに合うサイズのマグカップ、買ってやっただろ」 「買ってやったというか、押しつけられたというか……  私は別に、このマグカップで不自由してないもの。  大切に取ってありますぅ~」  言われてみれば、この間急に彼がマグカップを買ってきたことがあった。  何の記念日でもなければ、頼んだ覚えもない。
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