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その日も、薄暗い森のそばを帰っていた。
学校帰りに散々遊んだ後の道は、とっくに日も暮れて、オレンジの空と青く陰る辺りの景色とで、目がおかしくなりそうな時間だ。
家は、そう町から外れてはいない。けれど、田舎のここでは、だいたいどこへ行くにも畑や木立が必ずある。一人で歩いていても、こんな時間は誰も通らない。
分かれ道で、足を止める。
稽古をさぼった事は、今日こそバレただろうか。
あれだけ毎日兄弟子を泣かせれば、たぶん連絡くらい行っているだろうけれど。
だってあれは、新入りの自分達をばかにするのが悪いんだし。もっと年上の兄弟子が見てないとこでばっかり、ちょっかい出してくる馬鹿ばっかりだし。だいたい兄弟子とかいうくせに、弱すぎるし。
でも、帰って怒られるのはイヤだ。
遊んだ楽しさもさめてしまった今は、分かれ道を逆へ行きたくなってくる。
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