1人が本棚に入れています
本棚に追加
一瞬、総ての音が途切れ、息をのむ。
自分に、打撃が、無い。
それで、一気に緊張が高まる。
何が起きた。
「何を、しているのかな」
穏やかな声。
聞き慣れた大人のそれに。
ヤバい、と悶絶するほどの危機感に襲われた。
必死でもがき、せめて体を丸めて顔を隠そうと悪あがく。
しかし慌てているから木にぶつかり、転がろうにもうまくいかない。
その間に、周りはそれぞれ悲鳴をあげて逃げて行った。
ばさりと木刀を投げた音がして、草を踏む音が間近で聞こえる。
心臓が暴れ、壊れそうにひきつれる。
ぐいと引き起こされ、顔に手をかけられた。
もう駄目だ。
最初のコメントを投稿しよう!