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色白でニキビ一つない整った顔。
身長は162位はありそうだけど、細身だけにもっと小さく見える。
なんと言うか、背の高い小学生みたいな……。
それでも、今までに見たこともないような愛らしい男子に見とれていたのは確か。
「熊川くんの席、そこな。一番後ろの窓際」
担任が座るように言ったのは私の隣。
奇数人数のクラスで誰かが必ずあぶれなきゃいけない席。
そうなるのは私がベストだと、自らそこを選んだ。
なので転校生は必然的にその隣になる。
熊川くんは席に着くなり、
「よろしく、名前は?」
いつもクラスでボッチの私に話しかけてきた。
先入観がないって凄い。
てか、この人、声もカワイイ。
声変わりしたばっかりみたい。
「里 です……よろしく」
緊張気味に返事をすると、彼は小さく頷いて窓から見える空を見ていた。
窓から時々吹き込んでくる風に、色素の薄い髪がサラサラと揺れていた。
……何だか、小学校の教室に居るような不思議な気持ちになった。
「熊川くんて日本語ペラペラだよね? アリゾナでは日本語喋ってたの?」
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