へんしんメガネ

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「これでいつでもお父さんに変身できるぞ。お父さん」 私はかけていたメガネをお父さんに返して、私用のメガネをかける。 そしてまた、新聞を読んだふりをして太い声を出す。 「お母さん、コーヒーをくれ。ミルクとお砂糖たっぷりで」 お父さんもお母さんに声をかける。 「お母さん、コーヒーをくれ。僕はもちろんブラックで」 私のうちには二人のお父さんがいる。 誰かがお父さんに変身するのだ。 いつかきっと、誰にも分からないようなお父さんに変身してやるからね。 このお父さん変身メガネでね。 了
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