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ド田舎にある超お坊ちゃま学園、御堂橋学園ーー。
生徒は著名人の息子や御曹司、金持ち共が集まるエリート校。
もちろん、教師もエリート中のエリートでなくてはならない。
まあ、特等生で普通のやつもいるようだが。
俺は、西那 彰(にしな あきら)。
所謂一般庶民の俺はこの度、この金持ち学校の新人教師として配属されることになったラッキーボーイである。
「いやはや嬉しいよ、西那君のような若い人がこの学園に来てくれたのは」
と、目の前でにこやかに話してくれる美中年の男性は御堂橋学園の理事長。
下見というものか、俺は本格的に就任する前にこの学園の案内を理事長にしてもらっていた。
「ありがとうございます、自分もこの学園の教師になれるなんて光栄です」
そう言うと嬉しそうに笑う理事長にホッコリとしながら
この人は受けなのか攻めなのか考える。
ぐふふ…。
…おっと、いけないいけない。つい、そういう風に考えてしまう。
「それにしても…本当に大きいですね、この学園」
「名家の方ばかりが入学するものだから、見た目も設備もちゃんとしないとね」
苦笑いする理事長に思わずこちらも苦笑いで返してしまう。
「実は、私はこれから予定があってこの学園の案内が出来ないんだが生徒会の役員の誰かが案内してくれるはずだから安心してね」
「生徒会ですか?」
「ああ。今年の生徒会の役員達はとても優秀で、なかなかの美丈夫揃いでね。
男子校だがファンクラブもあるときた」
な、なんだと…!?
「それは…凄いですね」
王道転校生なんか来たら完璧だ…!!
すると、
「理事長先生、こんなところにいらしたんですか。
集合予定の場所のテラスで待ってても全然来ないなんて…」
「いやぁ、ごめんごめん」
そうやって茶化すようにわらう理事長。
クッ、お茶目さんかよ…!
これは受けか…?いや、攻め!?
「西那君、彼が生徒会副会長の神宮寺 秋彦(じんぐうじ あきひこ)くんだよ。
少々硬い性格の子だけど生徒会の中で1番真面目で…」
理事長がそうやって紹介している中、その言葉を遮る声が出た。
「彰さん…!お久しぶりです!」
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