第15章  紅葉の宿(つづき)

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「でもナッちゃん、すごくイイ匂いするから」 「冠くんだって、同じ匂いするでしょ?」 「そうだね」 私の肩に顎を乗せた彼が、フフッと細く笑う。 「僕ね、ナッちゃん」 「ん?」 「この部屋に来てから、ずっとこうしたくてすごく困った」 「えっ……?」 だが、彼の言葉の意味が今ひとつ分からず、 私は、ちょっと振り返ろうとした。 しかし、 「あっ……」 私に回っていた右手が、フワリと羽織の上から左胸を包む。 「ナッちゃん、ここ……、浴衣の下、何も着てないの?」
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