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「だって……」
胸の上で動くわけでもない彼の手の熱さを感じ、
なんだか体の奥が疼き始める。
「だって、何?」
「もう寝るだけだと思ったし、寝る時は締め付けられるの嫌だから……」
「そっか……」
ポツンと呟いた彼の手が、フッと胸の上から離れていく。
それに、ちょっと残念なような、ホッとするような感覚を味わった途端、
「あっ、冠、くん……」
襟元からスルッと滑り込んできた彼の右手が、私の胸を直に包んだ。
「僕ね、ここに着いてからずっと、ナッちゃんが欲しくて、欲しくて。
でもまだ明るいし、いきなりそんな事言って、ナッちゃんに呆れられたら
嫌だし。でも我慢できなくて体はどんどん反応するから、すごく困ったんだ」
静かに話しながら、彼の手が柔らかく私の胸を揉み始める。
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