第15章  紅葉の宿(つづき)

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「だって……」 胸の上で動くわけでもない彼の手の熱さを感じ、 なんだか体の奥が疼き始める。 「だって、何?」 「もう寝るだけだと思ったし、寝る時は締め付けられるの嫌だから……」 「そっか……」 ポツンと呟いた彼の手が、フッと胸の上から離れていく。 それに、ちょっと残念なような、ホッとするような感覚を味わった途端、 「あっ、冠、くん……」 襟元からスルッと滑り込んできた彼の右手が、私の胸を直に包んだ。 「僕ね、ここに着いてからずっと、ナッちゃんが欲しくて、欲しくて。 でもまだ明るいし、いきなりそんな事言って、ナッちゃんに呆れられたら 嫌だし。でも我慢できなくて体はどんどん反応するから、すごく困ったんだ」 静かに話しながら、彼の手が柔らかく私の胸を揉み始める。
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